短編集。スパイリー、還る船、メイザーは面白かった。
スパイリーと漂流塊の女王
虎眼基地(標準派)は、他の人類(ロイヤル派)と400年間ずっと宇宙戦争をしているつもりだったが、実は戦争の相手は人類が生み出した戦争機械(蜂機)になってました。
その機械は勝手に繁殖(自己増殖)しており、もとは主人だったかもしれない劣化した他の人類に餌をやって飼っていました。
その事実を知った宇宙ステーションのウェンディゴ大佐が逃亡したので、離反者を始末するため主人公たちは鼠捕り号で追いかけました。
そしたら蜂機の漂流塊(氷の微惑星をくりぬいてコロニー船にしたようなもの)に両方とも撃ち落されました。
宇宙ステーション:虎眼基地(住人は女性のみ、彗星上の基地)
宇宙船:鼠捕り Mouser 号 主人公:スパイリー、ヤロウ
- 武装:轟弾頭ミサイル、粒子ビーム砲、土竜機雷
- 推進機関:轟推進エンジン
- 制御:初期量子ロジック、光学素子式思考装置
- 防御:全帯域反射型装甲、変色迷彩
宇宙船:蜂機 両人類が開発した戦闘機械たちだが、自己学習して自律してしまった。
- 6脚、全長2メートル
- 漂流塊ごとに女王
ロイヤル軍は、黄色い貝。自軍は、牙をむく虎の頭。
漂流塊
- 武装:対艦ミサイル(轟弾頭、胞子弾頭)、粒子兵器(使い捨てドローン)
星系:フォーマルハウト星(銀河中心の内部空白圏)、この周辺では岩石惑星(資源)が形成されるので係争地となっている
星系:ハロー 微惑星が集まった星系で、漂流塊の目的地
星系:広域地球圏
宇宙船は、高加速度を和らげるため内部が液体だ満たされており、濃液艦と呼称されている。乗員の肺はエラ呼吸対応(心血管改造)されており、艦内を移動しやすいよう手に水かきをつけたり脚を尻尾に変えたりしている(セイレーン化)者もいる。
胞子弾頭は、伏魔(神経毒?ナノ機械?)を濃液に打ち込み乗員を発狂させる生物兵器のようなもの。
撃ち落されてから、漂流塊で意外な展開になるのが面白い。
カルタゴ滅ぶべし
カルタゴと呼ばれる上位の存在?に呼ばれて、銀河のさまざまな勢力が集まって、カルタゴの到来を、それぞれの手段で世代交替しながら、400年ずっと待っている。
- イエメン二 地球、人類、8世代め、期限切れ50年
- ドラド ドラド、215世代目、起源切れ20年
- WX-16 六分儀座A星雲
- NGC2808 おおいぬ座
- エクスペルヒ 白鳥座、クラゲ
- 頭脳集団 海王星
- AI ケンタウリ
イエメン二の船には1万2千人、技術者が代々のイエメン二を培養している。
戦いの後で
略
監獄惑星
アミューなる労働者の指導者がテラフォーミング中の惑星バスティーユを支配下においた。その惑星ではウーバーミンディストなるドラッグが連邦へ産出されていたが、輸出されなくなった。
そのため禁断症状で連邦の大統領の夫が死亡した。その息子が惑星に乗り込みアミューを殺害し復讐した。
宇宙船
- ピラニア迎撃機 惑星側、攻撃手段は体当たりw
- ガンシップ 連邦側
惑星
- バスティーユ、月:アントワネット
不死身の戦艦
艦名:アレクト 乗員51名
武装:レーザー砲×14、2連装ソーラー銃、通常ミサイル
防備:自己修復
推進:セヴァース・スタードライブ・エンジン×2(5光速)
サリッサの生物兵器が持ち込まれ、乗員が次々死亡。
最後の乗員が艦を爆破しようとしたところ、艦の人工知能がその乗員も殺した。
実は、その前から艦は意識をもっており、生物兵器への対策を無効化したり、悪化させたりして乗員を始末していた。
白鳥の歌
ブラックホール(フェルマータ)へ死にに行くひとたちを見守るスワンウオッチ。
人工共生体
セルタック星系、ワインスタインなるジャングル惑星で、オーヴォイドとかいう軟体生物?との戦争で、両陣営は互いに相手陣営を生物兵器(寄生生物)で攻撃した。
- 人類はオーヴォイドに、ラッチエナンゴの胞子を注射
- オーヴォイドは、人類と共生する人工的な共生体シンシムを放つ
シンシムにとりつかれると、自分が自分でなくなるので、とりつかれたら殺すように占有に頼まれていたが、殺すのをためらい、その結果、余計に苦しむこととなった。
還る船
歌う船ヘルヴァは、頭脳筋肉船であり、ヘルヴァの相方の筋肉(ブローン)が老衰死したので、レグルス基地へ帰還中。
その途中、惑星ラヴェルをコルノー人なる宇宙海賊が襲ったが、その惑星の殺人的な植物がコルノー人を全員始末した。
愛しきわが仔
略
巨人の肩の上で
パイオニア・スピリット号は、1200年かけて、くじら座タウに着いたのだが、56年後に地球を出発した宇宙船の方が先に着いており先を越されていた。
定住を勧められたが、もともとの意思に従って、最新の船でアンドロメダへ向かうことにした。
囚われのメイザー
前の戦争で軍の命令に逆らって大戦果をあげた英雄メイザーが、次の戦争の指揮も任されることとなり、光速で移動する船に乗せられた(攻撃艦隊が目的地に着くまで、時間がかかるため)。
軍の腐敗っぷりをよく理解し、ウンザリしているメイザーは、戻る気がなく、船のコンピュータを改造していたが、どうやらそれがバレた。
バレた後、腐敗した軍の官僚組織の思考を先読みしながら、遠隔通信するのだが、そのやりとりが面白い。
文化保存管理者
連邦の傘下に入ることを拒んだ文明は、惑星を攻撃されて滅ぼされてしまうのだが、そのような方針に反対する(おそらく)AIが反乱に成功する話?
ジョーダンへの手紙
ダヌイなる異星人は、HD6700の惑星2つを分解し、巨大ガス惑星(ホットジュープ)を活用した巨大構造物ヘックスを建造
ダヌイ:ロブスターに似た頭の巨大なタランチュラ、天才技術者
種族:人類、ヒャド:巨大な亀、アーサシ:2.5mのぎょろ目のイェティ、ノール、ソレンタ、クアタ、ダヌイ
エスカーラ
略
星間集団意識体の婚活
<連合>は進化を求めて、銀河の他の存在との婚活を始めた。
貿易相手国、星雲共同体、ユートピア(ダイソン球)、シリコン国、サイバー神学集団、肉体の解放、精神世界などがある
ルームメイトの<デジタル支援球>とサイバネティクス結合するオチ。
ゴルバッシュ - あるいはワイン-血-戦争-挽歌
略