何十年か前に、RPGの設定を考える資料集としてハードカバーの騎士道辞典を呼んだが、久々に騎士道関連の新しい書籍が刊行された。
騎士の起源
騎士の家系の多くは、筋骨たくましく、目に力があったという理由で軍役に選出された農奴の祖先から始まっている
当初は非自由民のモブから兵として取り立てられ、普通じゃ買えない優れた装備を貸与されることで武装強化されただけの単なる戦闘要員だった連中が、
生計を立て、装備を備えるために土地を付与された騎乗の戦士は、自由になる財産を手に入れた。(中略)こうした戦士たちは貴族のライフスタイルを模倣し始め、高価な舶来品を買ったり、詩人や音楽のパトロンとなって教養を誇示したりした。
次第に自分たちで自分たちの地位向上とブランディングをやり始め、非自由民からの成り上がりも当初OKだったのに、そのうち特別な儀式(叙任)をしないと騎士になれないなど禁止するようになって、
12世紀までに、騎士は少なくとも貴族階級の端くれに加わった。すると彼らは、下層階級から騎士身分にのし上がろうとする成り上がり者を排除するために結束を固めた。
騎士という特別な身分や騎士道といった倫理らしきものが出来ていった、といった背景がよくわかった。
騎士道の掟
ロマンスには「ブリテン物」「フランス物」「大ローマ物」の3種類があるらしい。
武勲詩のテーマである騎士道の栄光と、トゥルバドゥールが歌う宮廷風恋愛をひとつの物語の中に統合したのがロマンスである。
訓練と戦闘技術、甲冑と武器、騎馬突撃、騎士団、エピローグ
などの章があり、全体で300ページほどあった。
図版やコラムも多く、なかなか面白かった。